写真はインプラント体を埋入してから術後1ヶ月のものです。
様子をみると、硬くて厚みのある歯肉(角化歯肉)が少ないのが分かります。薄くて動く歯肉のままでは、インプラントの周りの粘膜が動いてしまうため良い状態とは言えません。
このままインプラントの上物を立ち上げても清掃性が悪く長期的な安定を求めることができないと判断しました。
その旨を患者さまへ説明し、上顎の硬い歯肉を移植することをご提案しました。
症例-インプラント
症例-インプラント
Implant
70代男性の方で、右下の奥の方に痛みがあるとのことで来院されました。当院にて詳しい検査を行ったところ、右下7番に歯根破折を認め、抜歯適用となりました。抜歯しただけでは、噛むことができないため抜歯した隣の部分にインプラント治療を行うこととなりました。
写真はインプラント体を埋入してから術後1ヶ月のものです。
様子をみると、硬くて厚みのある歯肉(角化歯肉)が少ないのが分かります。薄くて動く歯肉のままでは、インプラントの周りの粘膜が動いてしまうため良い状態とは言えません。
このままインプラントの上物を立ち上げても清掃性が悪く長期的な安定を求めることができないと判断しました。
その旨を患者さまへ説明し、上顎の硬い歯肉を移植することをご提案しました。
歯肉移植とは、上あごの歯肉の一部を採取し、歯ぐきに移植する治療法です。採取時や移植時に痛みはほとんどなく、傷口も1~2週間程度で安定してきれいになります。
目的として、将来的に歯ぐきが下がりにくい環境に整えることができること、本来の歯ぐきの長さに戻って根っこが隠れるので、むし歯や歯周病の予防効果も期待できます。前歯から奥歯まで、あらゆる歯に適応可能です。
患者さまの承諾を得て、青く四角で囲った部分を切り取って移植をしました。
安定し、動かない歯肉が出来上がっています。
通常、上顎の移植粘膜を切り取る処置をした場合、術後に痛みが出るのが一般的ですが、プラッテ(止血保護床)と呼ばれるマウスピースで薬を付けたガーゼを傷口に貼ってその上からプラッテ(止血保護床)で固定したことにより、術後の痛みはほとんどありませんでした。
インプラント治療における二次オペ(頭出しの手術)を行いました。
十分な角化歯肉が獲得されたのが分かります。
最終的なインプラントの上物を想定して仮歯を作成しました。
プロビジョナルレストレーションで経過を観察し、問題点を修正後、最終的な補綴物を装着しました。
年齢・性別 | 70代 男性 |
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主訴 | 右下の奥が痛い |
治療箇所 | 右下67 |
治療方法 | インプラント治療 |
費用 | 550,000円 |
治療期間 | 1年 |
治療によるリスク・副作用 | インプラント周囲炎 |
インプラント治療は術後のケアが重要になってきます。今回の治療では歯肉移植を行ったことで、よりインプラントを長持ちさせることが可能になりました。
それを実現するためにも、これからのメインテナンスでインプラント周囲炎を予防していくなどの努力が必須となります。